心の整理が出来てないけれどあたしと陸は、赤ちゃんの火葬をした。

焼き上がった彼女の骨は無惨にもほとんど残らなくて、辛くて、悲しくて、やるせなくて、涙がとめどなく流れた。
そんなあたしをなにも言わずに優しく抱き寄せる陸。彼のその温かい腕は微かに震えていた。


そしてその足で、あたし達は区役所に出向き、死産届けを提出した。
淡々と仕事をこなす女性の所員が、とても無慈悲だと思ってしまう。人ってなんてこんなにも自己中心的なんだろう。

「美奈。」

穏やかな、そしてどこか切なげな声であたしを呼ぶ陸。

「なに?陸…。」

「こんなときに、あれだけど…今日は前から決めてた入籍の日だろ?だから今籍、入れよ?」

陸はそう言い、結婚届けを差し出した。

「陸…」