記憶の破片

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書き終わったらしい総さんはボールペンを返し、ふっと笑んだ。


視線を総さんから、右手の甲に移すと11桁の数字と、メールアドレスが書かれていた。



「っこれ」



「いーから早く行け」



思わず見上げると総さんは無理矢理私を改札に押しやった。



「ありがとうございますっ」



改札を抜け振り返ると総さんはふいっと私から顔を背ける。


あ。


なんか可愛いかも。


背けた拍子に見えた総さんの耳は真っ赤だった。



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