記憶の破片

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「そんなに小さいですか?お母さんよりは大きいんですけど」



お母さんは155センチ。


私は160センチ。


お母さんより大きいのはお父さんの背が高いからだと思う。



「ふーん」



「総さんは身長何センチですか?」



見上げて尋ねると、総さんがちらっと私を見た。



「178」



本当、簡潔。


でも、答えてくれる。



「私が小さいんじゃなくて、総さんが大きいんじゃないですか?」



きっとそう。


そうに違いない。



「じゃあ、そういうことにしとく」



くっと声を出して笑った総さんに胸がときめいた。


ちょっと意地悪な笑みだったけど。


それすら、かっこいい。



「総さん、意地悪です」



「まぁね」



また、意地悪く笑った。



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