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お母さんはじっと私を見つめて。


私もまっすぐお母さんを見つめた。


そして固い表情をしていたお母さんの表情が柔らかいものになった。



「タイムスリップしていたのね?」



やっぱり。


お母さんだったんだ。



「うん。あっちでお母さんにそっくりな人に会ったの」



そっくりじゃなくてたぶんお母さんだと思う。



「そう。やっぱり綾さんは沙江だったのね」



特に驚くでもなくお母さんはやっと納得したような口振りで話す。



「じゃあお父さん…歳さんとも会った?」



もう一つの疑問にお母さんが触れてくれた。


やっぱり…。



「お父さんは土方さん、なの?」



でもなんとなく同一人物という気はしない。


それこそそっくりって言葉がしっくりくるような気がする。



「お母さんとお父さんはあそこで出逢ったの?」



そう尋ねるとお母さんははぐらかすでもなく。



「えぇ。タイムスリップして、歳さんの偽許嫁になって…いつの間にか好きになってた」



瞼を閉じてお母さんは思い出すように話してくれた。



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