「先輩、これ食べていいですかね?」
バタンと扉が閉まった後、美味しそうにお菓子を見つめる一年生の鈴代千菜(スズシロ チナ)
通称 鈴ちゃん。
「いいよ、食べちゃおう」
鈴ちゃんにそう答えあたしはクッキーを頬張った。
鈴ちゃんも次々と口に運んでいく。
すると動いていた鈴ちゃんの手が一瞬止まり、あたしを見上げた。
どうしたんだろう。味が変だったのかな。
鈴ちゃんの顔を見ると少し戸惑ったような、困った顔をしていた。
「どうしたの?鈴ちゃん」
「あっ。いや大した話じゃないんですけど」
そう言った鈴ちゃんはため息をついてから話を続けた。
「最近ですね、あたしの友達がある先輩に夢中なんですよ」
「ある先輩?」
「はい…。あたしも顔は見たことないんですが、どうやら結構のイケメンらしいです」
完全に手が止まってしまった鈴ちゃんはただため息をつくばかり。
でも、そんなに困ることなのかな。
友達の恋なら応援したくなるんじゃない?
鈴ちゃんの反応に不思議に思ったあたしは首を傾げた。
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