強引な君と甘い恋




でもあたしはしばらく動けず、女の子たちがいた場所を見つめてる。


名前が出てきただけなのに。


たったそれだけで、体が思うように動かないなんて。


…いやだ。


これ以上、あたしの中に入ってこないで。


流れそうになった涙を堪え、チャイムが鳴り響く廊下を駆けた。



*****



「さっきからボーっとしすぎじゃない?」


「……え、何か言った?」


「…何でもないわよ」



ため息をついた彰に首を傾げつつ、あたしは目の前のお茶を飲んだ。


今は放課後になって生徒会室にいる。


あっと言う間に時間が過ぎ、気付けばここに来ていた。



「お腹空いたー!」



カップをテーブルに置いた時扉が開き、あやめが叫びながら入って来た。


お腹をさすりへろへろとソファの上に倒れる。


「お菓子あるわよ。それから、はい。お茶」


「わぁ、ありがと」


彰がクッキーを差し出すとすぐさまがっついた。

あやめの食べ方に苦笑いしていると、また扉が開いた。



「会長!」


入って来たのは生徒会役員の一年生。


彰が顔を上げると近くに寄ってきた。


「酒井先生が今すぐ来て欲しいそうです。副会長も」


そう言いつつあやめを見ると、あやめは「えっ!」と言って嫌そうな顔をした。


可哀想な気もするけど、しょうがない。あやめは副会長なんだから。


あやめは彰に引きずられるように連れ出された。