「真冬、美春が知ってるわけないでしょ?男ったら誠司くらいしか知らないんだから」


「あ、そっか」


……。


図星だけど、なんか気に障るな。


本当のことだから仕方ないけど。



真冬ちゃんとあやめのやりとりを聞いて、あたしは肩をすくめた。


やっぱり、無知なのは良くないのかな。


でも、もう御堂くんとは会わないと思うし。



そのうわさを聞いてもあたしには関係ない、よね…?



「美春に教えた方がいいよ。あのうわさっつーか、事実?」


「そうだね。美春ちゃん、危ないし」



そう言った二人はあたしに向き直ると、顔をグッと近付けてきた。



「あのね、美春ちゃん。御堂くんってね…」


「真冬」



「彰っ!」


真冬ちゃんが話そうとした時、教室のドアから彰が入って来て話を遮った。