またもびっくりするあたしに、彼は窓枠に肘をつき頬杖をして笑っている。
「ご丁寧に弁当にまで名前を書いてるなんてね。君、可愛いね」
クスッと笑ったその人は、今日あたしが裏庭で助けてもらったあの男の子だ。
ふわふわっとした髪が印象的で、笑った顔が綺麗。
きっとあの時、弁当を拾った時に名前を見られたんだ。
あたしはなんだか恥ずかしくなって俯いた。
「もしかして、今日美春を助けてくれたのって竜なの?」
彰は竜と呼んだ人を見ると、驚いたように言った。
「ん?あー、助けたっていうか俺の邪魔を…でも、うん。助けたってことになるかな」
あたしから彰に目を向けそう言うと、またもにっこりと笑った。
それにしても、彰と誠司くんはこの人のこと知っているみたいだけど。
…友達、なのかな。
彰はへぇーっと頷いて、あたしと竜という人を交互に見た。
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