今日みたいな人は嫌。


あたしのもっとも嫌いなことをしてくる人たちは。





「…いた。誠司」



お茶をゆっくり飲んでいると、急に窓の方から声がした。



誠司くんは呼ばれた窓の方に顔を向けた。



あたしもフッと窓に目を向けた。



「あ、竜。何?」



誠司くんは笑いながら窓にいる人に駆け寄る。


でもあたしは、目と口を開けて窓にいる人を見てる。



「……」


「どうしたの?美春」



ポカンと窓を見ているあたしに、あやめが首を傾げて聞いてきた。



だって、この人…







「ん?…あ、佐保美春」



「へっ?」



誠司くんと話をしていたのに、あたしに気付いたその人は、あたしを見て言った。



な、ななな何であたしの名前を…?