「ご心配なく。
こんなんでもあたし、学年トップですから。

……じゃーねっ」


「あ…おいっ…」


そう言うと繭羅は走って階段を降りて行った。

さすがに今はピンヒールじゃないからコケる事なかったけど。



学年トップ…

すげぇじゃん。


あの聖華女子でトップなら…大目に見られてるって事か……?


なんだか納得したよーなしないよーな…

これまたスッキリしない。


「はぁ…」


気付いたらまた俺はため息をついていて。


「やっぱり妹なんかいらねぇ…」


実際に俺に妹はいないけど、気分はすっかり妹を持つ兄貴…


良かった。
ウチは男兄弟だから安心。


なんて、そんな変な事まで考える始末。




だけど

ハニーゴールドの光は

確かに俺の心に消えることのない、小さな小さな刺を残した。



この時すでに

俺はまんまとやられてたのかもしれない。



それに気付くのは

もう少しだけ先の話。