「海斗、ウザいから!!」


そう言ってヒールの高い靴を履き直し、また階段を降りて行く。


ピンヒールとか似合わねぇんだよ。


だからコケんだろが。



だけどそんな言葉に耳を貸す訳もなく…


結局それ以上は何も言えず

俺は遠ざかる繭羅の後ろ姿を見ていた。




信じらんねぇ…


ちょっと見ないうちにあんなに変わるモンか!?



はぁ〜〜……


何なんだよ……



思春期によくある反抗期?

……みたいな??


俺は複雑な心境になっていた。



繭羅は今年、聖華女子に入学したはず。


いくら自由がきく高校だからって、あそこであんな頭してていーのか…



確かに……


挑むような強い瞳に、ハニーゴールドの長い髪は


繭羅によく似合っていた。