蘭先輩、蘭先輩、蘭先輩、蘭先輩。


『妹みたいな子。』


それでも、


「蘭先輩が、好き。」


悠介が、見たこともないくらいに傷ついた顔をして、

ガラガラッ


バイオリンを持った蘭先輩が、立ちすくんだのは同時で。


「嘘だろ……」


悠介は蘭先輩なんか眼中にないみたいに、私を見つめたまま。