「…悠介。」


私の腕を掴んでいたのは、悠介で。


部活が終わったのか、大きなエナメルバッグを背負っている。
悠介からは私の好きな爽やかな制汗剤の匂いがする。


「何で泣いてんだよ。」


悠介、怒ってる?
いつもより、声が怖い。


「てか泣いてな…」
「泣いてたろ。」


低い声で言われてびくっとする。




悠介怖いよ…。