「それにね、僕が好きなのは花美だけだから。」 たくさんの愛がつまった小さな呟きは、津久井先輩にも、私にも届いて。 津久井先輩は頬を赤く染めて笑った。 落ちかけた放課後の光が、お似合いで、綺麗な二人を照らす。 その光が作った、暗くて寒い影に、私が一人いて。 そんな不思議な光景。 「じゃ、今日だけは部活でてよ?」 津久井先輩の明るい声で我に返った。