「……言わなきゃ、ダメ」 「なんで」 「言ってくれなきゃ、わかんないから」 よっ掛かってた手摺りから離れ、夢の目の前に立つ。 「……意味わかんない」 深いため息をついた夢を見て、確信した。 なんで夢は、こんなに冷たいの。 なんでいつも、思ったこと口にしないの。 なんで『好きじゃない』って、はっきり伝えてくれないの。 .