父親は黙って家を出て行った。 「心音・・・よかった。生きてて。」 「だいす…け。ありがとう」 一生懸命口を動かして話す。 口の中も血の味がして腫れている。 「無理に喋らなくていいよ。俺の部屋行こ。」 大介は私をお姫様だっこした。 「・・・軽。」 寂しそうに呟いて、階段を上る。 大介・・・ゴメンね。素直になれなくて。でも本当にありがとう。 すごく感謝してるよ。