5人の王子と1人の少女




いつもより低く、普段のお母さんとは想像がつかない静かな声。


あの子とは私のことだろう。


そう。


うちには借金があったんだ。


驚くほどの。


気の優しいお父さんは親友の借金を肩代わりしていたらしい。


お父さんとお母さんは羽山家とは縁を切っていて頼る相手がいない。


だから夜逃げした。


私が寝た頃に。


置き手紙を残して…