男たちは誰かを探しているようだった。


「俺…
アイツにひでえことしちまった…」


顔は見えないが、かすかに聞き取れる。


「どういうことだよ?」
もう1人の男が問い掛けた。


「俺さ、莉緒が好きだ……キス………たんだよ」


遠ざかっていて所々聞こえなかったが、確かに聞こえた自分の名前。


悲しそうな声だったのは、蓮だった。


泣き出して部屋を飛び出した莉緒を心配して探しに来たのだ。