そのベンチはペンキが剥げていてずいぶん使っていないことが窺える。 「こっちで話そうか?」 龍真はベンチに座り、ここに座れと言うように自分の隣を指差している。 隣に座るとギィと小さくベンチがなった。 「ほんでどないしたん? 暗い顔してたよなあ」 はあ… 『あの…ね?』 私はなんだか言いづらくて下を向いてしまった。