皆は私の事を見て少し驚いていた。
「ずっと探したんだけど見つからなくて・・・。」
そうお母さんが言って落ちた鞄を拾った。
「携帯鳴らしてもでないから、
小柄ちゃんの家にも掛けたんだけど、
誰もでなくって・・・。」
お姉さんはそう言って下を向いてしまった。
今まで感じていた不安がまた戻るのが分かった。
変な汗が出て玄関から入る風が冷たい。
そして、この家に流れる空気が冷たかった。
次に誰も話をしようとしないのを見て、
健がこちらに寄ってきた・・・。
「・・・電話もらった時、
言おうと思ったけどすぐ切っちゃうし、
掛け直しても出ないし・・・。」
そう言って健は少しずつ声が大きくなっていった。
「皆、忙しい中時間みつけては探してたんですよ。
こんなに心配してたのに・・・。
今まで、1人で何処ほっつき歩いてたんですか!!」
健の言葉を聞いて体が震えだした・・・。

