「さびしい、ね…?」


秀はきゅっと目を細めて、


「俺はすっごい心配」


って切なそうに言った。

ちょっと弱々しいその声に
きゅんきゅんさせられる。


秀に何か言ってあげたいのに、
言葉が見つからなくてもどかしい。


あわあわとしているわたしを見て秀は
くすっと笑ってわたしの頭を
ぽんぽんと撫でた。


「何かあったらすぐ呼んでね」


教室に入っていく秀の背中を見て、

同じクラスだったらよかったのに……


って今更悲しくなって胸が痛んだ。




どきどきどわくわく期待で
いっぱいだった高校生活は、

ちょっとだけ悲しくて、寂しい始まりになった。