いつも近くに居すぎているから
つい忘れてしまうけど、

秀はモテる。


勉強だって、運動だってできるし、
誰にでも訳隔てなく接するし、
見た目だっていいと思うのは

わたしの欲目だけじゃないと思う。


ほんとに……

なんでわたしなんかのこと好きなんだろう?

秀がどんなに嬉しい言葉をくれても、

この不安はいつもわたしの中にある―…



「中学校とは違ってはるが彼女ってこと
知ってる人だって少ないんだよ?」



中学校とは違う、かぁ。



……そうだよね。

わたしがしなきゃいけないのは
うじうじ悩むことじゃなくて、

秀にずっと好きでいてもらうために
努力することだよね?


「美和、わたし…頑張るよ!!」

「ん。頑張んな?」


美和のニコッと笑ったその笑顔に
パワーをもらった。


ほんとに頑張んなきゃね?