清貴は、長崎県にある海風小学校分校の代行教員をしている。

赴任する前は、大手の電機メーカーで働いていた。
しかし、任された仕事の重圧に耐えきれずに会社を辞めた。

退職した後、東京に一年ぐらい派遣で工場勤務の仕事をした。

その頃、清貴に中学の同窓会の連絡があった。

清貴は九州の福岡生まれで、中学生時代は成績優秀な優等生だった。

進学校の高校もトップの成績で卒業して、国立の大学も現役で入学した。
その後、大手の企業に就職したことも同級生は知っていた。

その頃の清貴は挫折感でいっぱいだった。学生の頃のような輝きはなかった。
そのことが原因で先生や同級生に会うのも抵抗がある。
そのため、同窓会には出席しなかった。