「ずっと、自分がしたことを高田さんに謝ろうと思っていました。その時は少しだけ、とまどいがありました。でも、ここで謝らなければ後悔すると思って・・・思いきって、高田さんに近寄りました」
清貴が途中で話すのをやめた。
「・・・」
「それで、相手の方は何か言われたんですか? 」
再び、山城が興味深く尋ねた。
「自分が深く頭を下げて謝ると、高田さんは『あなたのことは恨んでいない』と、言われました。一発ぐらい殴れても仕方ないと思っていたんですけど、意外でした」
「なぜ、そんなこと言われたんですか? 」
山城は疑問に思った。
「解雇を受けた時は、会社や自分に対しても恨んだこともあったみたいです。でも、子供さんと過ごす時間が出来て、笑うことがなかった子供さんが、笑顔を見せるようになったり、嬉しかったこともあったみたいです」
蒸し暑さが漂う中、清貴は、顔に汗がにじみ出てくるのをタオルで拭き取った。
「・・・」
清貴は黙りこんだ。
そして、何を思い出したように、
「最後に高田さん・・・自分にこう言ってくれたんです。『もし、仮に会社に残っていたら、息子の笑顔を見ることもなかったかもしれない。息子が亡くなるまで子供の側にいてあげられて良かった・・・』と、優しく自分に言ってくれました」
清貴が途中で話すのをやめた。
「・・・」
「それで、相手の方は何か言われたんですか? 」
再び、山城が興味深く尋ねた。
「自分が深く頭を下げて謝ると、高田さんは『あなたのことは恨んでいない』と、言われました。一発ぐらい殴れても仕方ないと思っていたんですけど、意外でした」
「なぜ、そんなこと言われたんですか? 」
山城は疑問に思った。
「解雇を受けた時は、会社や自分に対しても恨んだこともあったみたいです。でも、子供さんと過ごす時間が出来て、笑うことがなかった子供さんが、笑顔を見せるようになったり、嬉しかったこともあったみたいです」
蒸し暑さが漂う中、清貴は、顔に汗がにじみ出てくるのをタオルで拭き取った。
「・・・」
清貴は黙りこんだ。
そして、何を思い出したように、
「最後に高田さん・・・自分にこう言ってくれたんです。『もし、仮に会社に残っていたら、息子の笑顔を見ることもなかったかもしれない。息子が亡くなるまで子供の側にいてあげられて良かった・・・』と、優しく自分に言ってくれました」

