「でも、どうして、児童のことと関係するんですか? 」

山城は、清貴が仕事を辞めたことと、慎吾の母親が結婚することの話しのつながりが見えてこなかった。

「仕事を辞めた後、偶然に高田さんに会いました」

「会った・・・!? 」
山城は興味深く言った。

「仕事を辞めてから、しばらく派遣で作業員の仕事をしていた時です。仕事が終わって地下鉄都営浅草線の大門駅のホームで・・・」

清貴は一気にコーラを飲んだ。

「自分が乗る電車とは違う電車待ちの同じホームで、お互いに目と目があって・・・すぐに高田さんだとわかりました」

校舎横の杉の木に止まっていた蝉が急に鳴き始めた。
当時に他の蝉も鳴き始めてた。