山城は、一学期の終業式の挨拶のため訪れた。

山城は、本校と分校の掛け持ちで校長をしている。

ここ最近、本校での学校行事の他に研究会などで分校を空けることが多い。
そのため、分校にも一週間に一度ぐらいしか顔を出せない状況だった。

「今日は、昼過ぎに本校の方へお帰りですか? 」
再び、コーラを口にした後、清貴が尋ねた。

「えぇ、次の授業時間を利用して挨拶をしたら、本校に戻ろうと思います」

山城は、上着を脱いで内ポケットから扇子を取り出し顔を扇いだ。