浅い眠りを繰り返し、朝になった。ベッドに目をやるとアラキはまだ眠ってる。


水枕と冷えピタを換えようと近付いた。



「うわっ、睫毛アタシより長いし。むかつく…」



ヒガミを呟き、オデコに手を伸ばそうとした時



「ごめん…」



うっすらと目を開けアラキが言った。



「あっ、起きた?具合は?」



「ごめん」


「食欲ある?ゼリーとか買ってきてあるよ」



「ごめ……」



「だから、体調はどうなの!」



「大分良い」



「そう。別に謝らなくていいから。倒れてる人、ほったらかす事なんてできないでしょ。人として当然の事しただけだから。その変わり熱下がったら出て言ってね」



病人に冷たすぎる態度だって事はわかってる。でも、甘やかしたら調子乗るタイプだ、この男は…