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歳さんの突然の行動に一気に体温が上がる。



「…その顔の方が、いいな」



ふっと歳さんが微笑む。


今は笑えるような状況じゃないのに、歳さんは笑ってくれる。


副長という立場上、忙しいはずなのに夜になると必ず帰ってきてくれる。



「もうっ」



染まった頬がさらに熱くなる。


歳さんの笑顔。


ずっと見ていたい。


いたまでも続いて欲しかった。


こんな幸せが。


……けどそんな夢は簡単に崩れてしまうんだ。



――――――



その日、近藤さんが薩長に捕縛された。


もう新選組は幕府に見捨てられたのだ。


わかっていたことなのに、やっぱり悲しい。


歳さんは出掛けたきり帰ってこない。


歴史の流れでいけば、沖田さんも歳さんも…亡くなってしまう。


今の私に何ができるのかな…。



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