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「同情だと思っているのか?」



真っすぐな眼差しで見つめられて。


目が逸らせない。



「“俺”はお前が好きだ。…愛しいと思うし、守ってやりたいと思う」



微かに歳さんの瞳が潤んでいるような気がする。


…なんか可愛いかも。



「…はいっ。……私も歳さんが大好きです」



顔を胸元に埋めて、手を背中に回した。


耳に響く歳さんの早めの鼓動と体温が心地いい。



「沙知…」



低くて、擦れた…でも優しい声で名前を呼ばれて。


ドキドキが止まらない。



「ずっと…」



私が呟くと歳さんが「ん?」と聞き返す。



「ずっと…傍にいさせてください…」



見上げて言うと瞳から涙が溢れて、頬を染めた歳さんと視線が絡む。


突然幕末なんかに来て、私は一人ぼっちだって思ってた。


でもあなたがいるから、今は一人じゃない。



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