「お前は雨女なのか?」 リュウタさんとの会話で覚えてるのはこれだけ。 自分が考えて喋ったことでも、いつの間にか頭の中から抜けている。 頭の中には....シュウ。 雨の中で、『相合い傘』してのデート。 リュウタさんがすぐ近くにいる。 それなのに、頭の中からシュウが消えない。 リュウタさんは何度か 「なんかあったのか?」 って聞いてきたけど、その度に 「ううん、なんでもない」 って、自分に言い聞かせるようにして首を横に振った。