遊園地の出口に、リュウタさんが立っていた。
「泣かないんじゃなかったの?」
優しい口調にまた泣きそうになる。
「送るよ」
家に着くまで、リュウタさんは何も言わなかった。
黙って隣を歩いていてくれた。
家に着くと、話し出した。
「オレさ、中学ん時、柔道の地区大会でお前のこと見てさ、それから好きだったんだ。
いっつも笑ってるけど、時々思いつめた顔しててさ、守ってやりたかった」
そこまで言うと、アタシは抱きしめられた。
「でもさ、もっと前から秀はお前の側にいたわけじゃん?......やっぱり、敵わねぇよな」
リュウタさんがあまりにもあったかくて、その腕を振り払えなかった。