3分ぐらいボーっとしてたら、ほっぺになにか当たった。
「ひゃっ!!」
「なんちゅう声出してんだ」
リュウタさんが上から覗き込んでる。
思わず下を向いた。
「これ、おごり」
紙コップのオレンジジュースは冷えてて、熱を持った手のひらを冷ましてくれる。
「あ、ありがとうございます」
オレンジジュースはのどの奥に染み込んでいった。
気付くと、リュウタさんがニコニコしながらこっちを見ている。
「なんですか?」
「いや。かわいいなーって」
ハズッ///
こんなこと、普通言えないよね?
「っっ!!からかわないでください!」
「本気だって。それに.....あいつは、秀は好きな人いるらしいしな」
「......誰なんですか?」
「ん?知ってても言わねーよ。お前、泣きそうじゃん?お前が泣くのは見たくねぇし」
「泣かないから、教えてください」
「知りたいの?」
ちっちゃく頷いたら、リュウタさんは呟くように言った。
「怜香(レイカ)だよ」


