『おい、あんた。 名前は何ての?』 周りの女子が驚く 「こんな地味な子が、黒王子様に名前を聞かれてるわ!!?」 「あの黒王子様が女性に興味をお持ちになられるなんて!!」 と、様々な言い分だが 大半は私に向ける批判の声だった 「妃姫 雅【キサキ ミヤビ】、ですけど。 私、急いでるんで。」 とりあえず、きっとこいつらに絡んだらろくな事がない 私は先を急いで行こうとする 『待て。』 『まったぁー!』 2人が言ったのは、ほぼ同時だった 「は?」 『あんたに決めた。』 『僕も。』