ワカコは納得したのか、「食事くらいなら。」 と、少しはにかんだ。 何度か食事に行けたのは、運が良かっただけではないと思う。 三度目に食事に行った時に、今までつけていなかった付けたての香水が、ふわと馨った。 果実系の馨りが、僕を誘っているように思えたが、どういうわけか、手を出してはいけないようにも感じられた。 タクヤにポロリと話したら、訝しげな顔をされたのを憶えている。 今思うと、相当恥ずかしいが、「大切にしたい」などと思ったのだ。 彼女を。この空気を。 この気持ちを。