僕とみつばち




少し話過ぎたと思ったのか、また取っつきにくそうな表情に戻りはしたものの、こちらをしっかり見て話す瞳には好感が持てる。



とりとめのない話をしながら店内をふらついているとふと、ナツミの足が止まった。



よくある、占い関連の本だった。



僕は占いにあまり信憑性を持てなかった。極稀に手にとってみたくなるが、このコーナーに寄ってくるのはほぼ女性で、居心地も悪く、気恥ずかしくもある。
目を通すものと言えば、せいぜい新聞の星座占いか、年始のおみくじくらいなものだ。



「占い、信じる方?」



ナツミは極めて難しい表情で

「わからない。」

とだけ答えた。



「当たってる時と当たらない時があるからね。」
「…わたしは精神的にまいっている時は、よく当たる気がする。」
「はは、占いなんてそんなもんなのかもね。」



そう言って笑うと、ナツミは一冊素早く本を手に取りページを繰ると、



「ここ。見て。」
「え?」




『人生を変える今月になるでしょう。良くも悪くも不安定な運勢ですが、出会いは大切にして下さい。特に年上の異性との出会いは、あなたの中に台風を起こすほど狂おしい感情を産むでしょう。』