思い出に変わる時・・・・

そう思っていたら、祐が私の手を取って卒業生の列にまぎれて私も一緒に退場させられてしまった。


「ちょっと・・・  祐?! 」


父兄や、先生達もあまりの早さに誰も気付いてなさそう・・・・


体育館から出てスグに祐は私の手を掴んで走り出した。


「ちょっと~祐 =3 」


校舎裏について、


「お前泣くなって言ったのにずっと泣いてただろ・・・・ 」


「何回後ろを見てもお前はずっと下を向いてた! 」


「俺のいない所で泣くな・・・」


私だけの祐が戻って来た気がした。


「泣いてない=3 」


誰がどう見ても泣いてたと分かるような顔だった。


「泣きたい時は俺の前で泣いて・・・・」


祐も今にも泣きそうな顔で私を引き寄せた。



もう限界・・・・


明日からは偶然にでも会うことができない・・・


『助けて!!! 』


祐の姿が見れないなんて考えられない


私だけの祐でいて欲しいなんてワガママ言わないから・・・・


心の中で叫び続けた。


祐のトワレの香りが鼻に残る・・・



たぶん今度誰を好きになっても祐の事忘れられない


たぶんこの香りも忘れない。


どこかですれ違っても必ず祐を見つけ出してしまいそう・・・・


『強くなろう・・・・』


そう心に決めて、


「祐、私の事たまには思い出してね・・・・ 」


心にもないような事を口走ってみた