思い出に変わる時・・・・

祐は布団にまきついたままの私を全身で包んだ。


私は毎日の卒業式の練習で寂しさが限界に達していた。


『今さら放っておけないなんて遅いよ・・・・ 』


抱きしめられた祐の胸の中で半年分の我慢が爆発してしまった。


「ゴメン=3 」


「ゴメン=3 」


祐は何度も謝っていた。


私はあふれ出した涙が止まらなくなって泣き続けてしまって・・・・


「私こそゴメン・・・」


祐と私は卒業式の練習が終わるまで、ずっと保健室にいた。


「泣いてゴメン・・・・」


「ううん・・・・菜緒最近泣かなくなったと思ってた。」


「だって、我慢してたもん! 」


「泣いてばっかりの女ってウザイでしょ~ 」


「・・・・。」


「でも泣きたいときは我慢しないで欲しかったけど・・・」


なぜか昔話のように2人で笑いながら話せた。


「卒業式はちゃんと最後まで座ってろよな! 」


「うん・・・・。」


祐との最後の約束・・・・



卒業式の当日。


在校生の横を卒業生が通って行く・・・


ポン =3


祐は私の肩を叩いて通り過ぎていった。


『また会えたらいいね~』


涙で前が見えなくて下を向き続けた卒業式・・・・


卒業生退場の声が聞こえて、祐達が私の横を通り過ぎて行く。


『バイバイ・・・ 』