思い出に変わる時・・・・


少し経って卒業式の練習が開始した。


覚悟はしていたものの、3年生の背中をずっと見ていないといけないこの席は辛すぎる・・・


私は一度たりとも最初から最後まで練習に出れた事はなかった。


「卒業証書授与 」


その言葉が聞こえたら私は体育館から出て行く・・・・


祐が卒業証書をもらってる姿を想像しただけで、そこにジッとしていることができなくなる。


誰もいない保健室・・・


ベッドに横たわって頭を抱えていたら、


「お前・・・戻って来いよ ! 」


祐の声だった。


「何してんの ?  練習は? 」


「お前が出て行くのが見えたから・・・・」


「もうすぐ卒業なんだから最後くらい見とけよ! 」


最後って・・・・


「無理 =3 」


「早く練習に戻って・・・」


私はベッドにもぐり込んで祐を無視した。


「早く来いって・・・・ 」


祐は私のふとんを剥ぎに来た。


「放っておいて・・・=3 」


「放っておけない!! 」


「放っておいて=3=3 」


「お前を放っておける訳ないだろ!!! 」



私の頭の中のスイッチがONになったみたい・・・


「今さら放っておけないなら、何であの時手放したの?! 」


「・・・・だから 」


私はついつい勢いで本当の気持ちを言ってしまった。


「・・・・だから今、手放したくないから・・・ 」