結局、疑問の答えが出ないまま朝を迎えてしまった。

「おい、美里!!翔が迎えに来てるぞ」

お兄ちゃんが、階段から叫んでいた。

「わかった、今行く~」

私は、髪をとかして急いで階段を下りた。

翔に会うのなんか、気まづいな。

「お…おはよう」

私は、優しくほほ笑んだ。

「おはよう」

翔は、相変わらずのテンションで少しほっとした。

でも、翔の好きな人って誰なんだろ。

「あのさ、昨日のことなんだけど……」

「…あ?」

少し翔は、機嫌が悪かったらしい。

「いや、何でもない」

私は、下を向いてとぼとぼ歩いた。

「ああ……別に、誰にも言わねーから。お前も言うなよ」

私は、ただ黙って頷いた。

「ねえ、翔の好きな子って…」