なんだか、嫌な予感がする。

「なんだよ」

俺は、横目でみーを見る。

「私ね……もり……」

だんだんみーの声が小さくなって聞こえなくなってきた。

「なんだよ、もっとデカイ声でしゃべれよ」

俺は、軽く腰を曲げ耳をみーの口元に近づけた。

「私ね、もりも……モリモハマ大会に出ることになったんだ!!」

みーが、嘘をついてることにすぐに気がついた。

だってみーは、嘘をつくと口を曲げて、最後には口をつぼめる癖があるからだ。

今日もその状態だ。

「そうだったんだ、よかったな。俺は、インハイが終わればスタメン決定だな」

俺は、軽くほほ笑んだ。



みーが、伝えたい本当の言葉はわかってた。



でも、聞きたくなかった。





森本が好きという言葉を。