【幼なじみの恋愛事情】

新入生たちは、入学式は終わるとクラスごと教室に戻った。

ぼーとしながら、みんなにつられて歩いていると後ろから、声をかけられた。

「ねえ、どこ中?」

振り向くと、背が高くスタイルのいい顔が整っている女の子が立っていた。

「あっ、私は宮河中だよ?そっちは?」

「うち、ここの付属中。このクラスの3分の2が付属中だよ」

「えっ!?うそでしょ?」

「本当だよ。ここのクラスは、特進だから中学の時にトップクラスの子たちがそのまま上がってきたんだよ。だから、ほとんどが付属中だよ」

「そうなんだ。友達づくり頑張ろう!!名前なんて言うの?」

「うち、松本美鈴。美鈴でいいよ。そっちは?」

「私は、浜辺美里。呼び捨てでいいよ。よろしくね」

「うん、よろしく」

それから、私たちは他愛のない会話をしながら教室まで向かった。

ちょうど、席も後ろでこれから仲良くなれる気がした。

新しい友達ができたって感じで、めっちゃうれしい。

後で、翔に報告しよ。

若松先生が、ペラペラひとりでしゃべってそのままその日は、終わった。

「では、これで解散します。明日は、通常通り8時までに教室に入ってください。では、さようなら」

この先生は、たんたんとしているのかマイペースなのかはわからないが、伝えるべきことを言うとすぐに教室を出て行った。