「樺沢区に住む、15歳の渡辺翔くんがビルから飛び降りをし死亡したというニュースが先ほど入っていました。今のところ、死因は自殺とみられ警察が自殺の原因を調べている模様です」

……えっ

翔……?

「いやあー!!」

私の頭の中は、翔の姿ばかり。

いつも、隣で私を守ってくれた翔。

サッカーを頑張ってる翔

勉強を頑張ってる翔。

約束した幼い頃の翔。

「美里!!美里?」

隣で、声をかけるまーくんの声がうまく聞き取れなかった。

「翔が……翔が……」

私は、その場から立ち去り急いで翔の家に向かった。

翔が自殺?

あり得ない

さっきまであんなに元気だったのに。


「翔!!翔!!」


翔の部屋に向かうと、翔は机で勉強していた。

「翔……?」

「なんだよ……っ!?」

私は、自然と翔に抱きついてしまった。

「翔……、翔……、生きててよかった」

「どうしたんだよ?」

「ふへぇーん……」

私は、ひたすら翔の胸の中で泣いた。