10時になってみーが俺の部屋にきた。

優馬は、加奈子の部屋に行ったらしい。

でも、二人っきりになるとなんか緊張する。

「あのさ……なんか、ごめんね」

みーは、俺の目を真剣に見て謝る。

「ああ。俺もちょっと感情的になりすぎた」

「私さ、翔に嫌われたかと思ってた。目合わしてくれないし、ずっと空ばっか見てるし」

「あれは、俺考え事してた。なんか、これからどうなっちゃうんだろなって思って」

「私も!!けど、ゆっくり話せてよかった。やっぱ、私……翔が居ないとダメみたい。例え、森本くんが居ても……私には、翔が必要なんだって思ったんだ。森本くんに、悪いかもしれない。けれど……どこかで、翔を必要としてるんだよ。だからさ、これからのずっと…ずっと【幼なじみ】としてそばに居ていい?」

みーは、目をウルウルさせながら上目づかいでこっちを見た。

「ああ、いいよ。俺もずっと思ってた。いくら【幼なじみ】でも、居なくなったら何か心細くなってるんだ。だから、俺にはみーが必要なんだ。もちろん、みーが森本を好きでも俺は、ずっとみーの傍にいる【幼なじみ】として」

気がついたら、みーを抱きしめていた。

みーもそれに答えるように俺の背中に触れた。

「翔……ありがと。翔は、本当は優しいんだね。私ね、ずっと翔の優しさが感じられなかったの。何で、こんなに冷たいのかなって。けれど、それが翔にとっての優しさなんだよね。素直になれなくて、不器用だからいつも冷たい言い方してるけど……翔は、私のためにいつも優しくしてくれたり、時には怒ってくれたり。ありがと」

「うん」

「翔……ありがと。これからも、【幼なじみ】としてよろしくね」

そういうと、みーは体を離して部屋を出た。

少し、泣きそうになった。

みーが、部屋を出てくれてよかったと思う。

みーが、ずっとあの場にいたら…・・・

気持ちつたえそうで怖かった。

【みーのことが好き】って。