「俺お上品だろ。」
「お父さんの前だけね。」
「そんなことないでございますよ。菫さん。」
「そんなことありありでございますよ。哲さん。」
「じゃぁ挨拶一周行きますか。
菫さんお手をどうぞ。」
「まぁどうも哲さん。」
変なお上品ごっこが始まって
なんか面白い。
そして手を繋いで挨拶にいった。
回りから見たらカップルに見えるかな?
今日会ったばっかりなのにね。
「疲れたぁぁ。」
「結構大変なんだぁ。」
「まぁな。」
♪♪ー♪ーー♪♪
何かバイオリン?
みたいなのを持っている人たちが弾きだした。
何か始まるのかな?
それに電気が消えた。
会場全体が薄暗くなった。
「菫さん。」
「またお上品ごっこですか?哲さん。」
「いえ違います。
僕と踊って頂けませんか?」
「えっ。踊れないんですけど。」
「大丈夫。俺がリードするから。」
「えっでも。」
哲くんに引っ張られて
フロアの真ん中に来たけど
どうしていいかわかんないよ。
「肩に手を置いて。」
私は言われるがままに
肩に手を置いた。
哲くんは腰に手をあてた。
スローだから
運動神経のない私でも大丈夫だった。
ラッキー。


