「ピアス…」


 「そうだよ。さっき、おばさんの家で落としたでしょ?」


 「俺…忘れてた…」


 「だと、思った。追いかけて良かった。」



 クスッと笑う唯。そんな唯を見て俺も笑っていた。


 唯の掌からピアスを取って“ありがとう”と笑って答えた。


 キミがいなかったら…今頃俺は、愛を苦しめるだけだった。


 こんな俺を…助けてくれてありがとう。


 そう思う俺の心は…柔らかい春風が吹いていたー…。