「だけど?」


 「内容が手紙で書いた事だったの。手紙でナオに送って…病気が…治るまで言わないでって…」



 ポロポロと、大粒の涙を流しながら話す唯。



 「さ…最後に…い…いま…今までありがとうって…あたしに…」



 “うわ~”と声をあげて泣きだした。


 俺はただ…茫然と聞いていた。


 あの手紙に…そんな事があったなんて…知らなかったーー。


 何も考えられない俺は…ソファーから立ち上がった。



 「俺…帰ります…」



 フラフラと歩きながら家を出た。


 愛に…線香もあげないままー…。