NAO




 こんな小さな子に…愛の事を話していたなんて思わなかった。



 「あいね、お姉ちゃんと同じ名前なんだよ。」


 「そうだな…」



 俺は愛の写真を見ながら呟いた。


 写真の中のキミは…可愛い笑顔で笑っている。


 時間が止まったように…あの頃と変わらないキミの姿。



 「あいね、大きくなったらお姉ちゃんみたいに優しい人になるんだ。」


 「優しい…人?」


 「うん。パパとママがお姉ちゃんは、優しい人だったよって言っていたから。」



 俺は愛ちゃんの顔を見た。嬉しそうに話す愛ちゃんの頭を撫でて



 「愛ちゃんなら…お姉ちゃんみたいになれるよ。」



 俺は微笑んで答えた。