NAO




 「ねぇ…古賀さん。」


 「何?」


 「父さんって…古賀さんのマンションの場所…知ってるの?」


 「どうしてそんな事聞くの?」


 「さっき電話で、ここの場所を聞かなかったから。」



 そう話すと、古賀さんは納得したような顔。



 「そうだったの…覚えてくれているのかも…」



 ポツリと呟く古賀さん。あたしは古賀さんの言葉に“え?”と言った。



 「この前ね、この近くで園田さんと会ったの。その時教えたの。まさか…覚えていてくれていたなんて…それに…」


 「それに?」