「どうして?」


 『それは…取りあえず、どこかレストランに行こう。』


 「レストラン?今からじゃ予約取れないよ。」


 『それは、父さんが何とかするから待ってなさい。』


 「…分かったよ。」


 『じゃ…また連絡する』



 そう言って父さんは電話を切った。


 何だか…電話先の父さんはソワソワしていた。いつもと違う感じ。


 お酒を飲まない父さんは、本当に優しくて真面目な人。


 だけど、今日の父さんは何だか変だった。


 そんな事を考えながら、マンションから見える沈む夕日を見ていたー…。