「だけどね…その考えは甘かったわ。奥さんが亡くなって、園田さんは病院に来なくなったし。会う事もなくなったわ。」 手に持っていたペットボトルをギュッと握りーー。 「それから、本気で諦めようと思って…何人もの男性と付き合ったわ。流されるように体を重ねて…」 話をする古賀さんの横顔をあたしはジッと見ていた。 何も…言えなかったー…。 「体を重ねるたびに…これが園田さんだったら…と何度も思っていた。それでも…忘れようとした。忘れようとしたのに…現れるんだもん。」 「それって…父さん…が?」